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小児在宅医療をとことん語り合う3日間

一般社団法人Orange Kids' Care Lab.

· 2017年度 助成・支援事業紹介

小児在宅医療を志す全国の専門家が集合

2017年7月、小児在宅医療をテーマにした研修会「今すぐ役立つ! 在宅医療未来道場(小児在宅医療編)」が軽井沢で開催されました。2泊3日の日程で行われたこの研修会には、これから小児在宅医療に携わりたいという未経験者からベテランまで、医師や看護師、介護士、理学療法士といった様々な職種の参加者43名が全国から集まりました。

主催するのは、一般社団法人Orange Kids' Care Lab.。福井県で在宅医療を利用しながら自宅で生活する医療ケアを必要とする子どもたちの支援やお預かりのサービスに取り組んでいます。母体のクリニックではこれまでも高齢者の在宅介護に関する研修会を開催してきましたが、近年増加するニーズに応え、今回初めて小児に特化。軽井沢で行われた医療的ケア児のためのキャンププログラムに併せての開催となりました。

初日の開会式。スタッフは道着を着て参加者をお出迎え。

気合いを入れて「未来道場」を盛り上げます

職種ごとに異なる視点を学び合う

「参加者に事前アンケートを行ったところ、皆さんの抱えている課題が共通していることが分かりました。特に多かったのが同じ地域に仲間がいないという連携の問題です。そこで研修会では多職種で同じテーブルを囲むグループワークを中心にして、現場での困り事にどう向き合い解決しているのか職種を越えて学び合うスタンスで議論を深めていただきました」と、プロデューサーの奥田寛子さんは語ります。

 

3日間のプログラムは、在宅医療で直面する場面に関する事例のグループワークが5セクション、医療や看護、福祉の各分野における小児在宅医療のスペシャリストの講師によるセミナーが4講座、最終日には講師全員が登壇するパネルディスカッションと、朝から晩まで内容満載。会期を通して熱心な議論が交わされました。

 

どのプログラムでも、職種ごとの経験が他の職種へリレーされていく様子が盛んに見られました。例えば、診察室でしか子どもに接することがない医師が、訪問看護師や介護士から生活の視点を学んだり、また、家庭での過ごし方について医療ケア中心に考えがちだった看護師が、発達に寄り添う視点や子どもと家族の遊びを通した関わりの大切さについて保育士や理学療法士から学んだり。新たな視点を得ながら、子どもにチームで関わる重要性を大いに実感したそうです。

様々な職種が一つの課題について討論。意見を出し切った後に、

ディスカッションでもうひと山意見を絞り出します

新人、実践者、それぞれの課題と思いを知る

グループワークは小児在宅医療の経験値で参加者を「期待の新人」と「悩める実践者」に分け、それぞれで多職種からなる5〜6名の班をつくり事例の検討に取り組みました。テーマは「退院時」「二次障害」「就学時」「看取り」「家族旅行」という在宅医療で必ず遭遇する5つのライフステージで、それぞれの場面で患児や家族に対して自分にできること、不安、課題を考え、シートに貼っていきます。新人チームと実践者チームが互いの発表を聞き合い、それぞれに抜け落ちていた視点を確認することで視野が広がり、考えを深めていきました。

「回を重ねるうちに、新人の視点が実践者のそれに近づいていきました。当初、新人チームのシートは意見が少なく余白も多かったのですが、最後の回にはあふれるほど意見が出されました。現場を見ることも大切ですが、実践者の意見を聞くことでも大いにイメージが湧き、実践できそうだという自信につながったようです」と、奥田さん。

研修会では、43人分のリアルな経験が集められます。

子どもの病状は百人百様。テーマは尽きません。

小児在宅医療の知見をより広く届けるために

研修会を通して、多職種で話し合うことの重要性を実感した参加者の皆さん。事後のアンケートでは、職場に戻ってすぐにケース会議や地域の関係機関に連携会議を提案したといった、かなり具体的なアクションが報告されました。

この数年、医療的ケア児は急激に増加しており、10年前の2倍にもなっています※1)。在宅医療の専門スタッフ育成は公的な機関でも行なわれていますが、増加のスピードや、子どもたちの成長に伴うニーズの多様さに、制度やテーマの設定が追いついていない印象があると奥田さんは語ります。双方向からの意見の交換と、それぞれの課題に対する柔軟なテーマの設定ができる今回の研修は、まさに、「今すぐ役立つ!」ものであったと言えそうです。

小児在宅医療に関する知識の普及のため、セミナーやワークショップの動画はウェブサイトで公開し、自由に使えるようになっています。研修を終えた参加者は、地域の中心となってネットワークを構築し、連携を押し進める力となるはずです。

近隣で開催されていた医療的ケア児の夏期キャンプ、

軽井沢キッズケアラボ(リンク)を見学。

いつか同じような場作りをしたいという声も多く聞こえました

※1)平成28年度厚生労働科学研究費補助金障害者政策総合研究事業「医 療的ケア児に対する実態調査と医療・福祉・保健・教育等の連携に関す る研究(田村班)」の中間報告

・一般社団法人Orange Kids' Care Lab.

 団体情報はこちら(CANPAN 団体DBへ)

・ 2017年度 日本財団支援事業

 「今すぐ役立つ!在宅医療未来道場(小児在宅医療編)」の実施(Tooth Fairy)

地域で医療ケアが必要な子どもたちを支える各職種(保育、教育、行政、生活、医療、福祉等)のスキルアップ、人材育成とともに、地域文化としての包括的な支援体制の醸成を目指す。

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