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子ども時代の入院を楽しい思い出に!

特定非営利活動法人クラウンボランティア・ティアドロップ

· 2017年度 助成・支援事業紹介

小児病棟に季節と遊びを丸ごと運び込む!

夏のある日、入院中の子どもたちが4人、5人と集まってきた小児病棟のプレイルームに、赤い鼻をつけたクラウン(ピエロ)たちが賑やかに入ってきました。静かだった室内が急に華やかな色彩を帯びてきます。

「さて今日は、みんなと一緒に海水浴!」

 

思いがけないクラウンの宣言にキョトンとする子どもたち。すると、クラウンのリーダー、ジャックは荷物の中からビニールプールを取り出し、空気を入れ始めました。「ほらほら、みんなも手伝って!」

 

プールの中に貝殻をまき、ゆらゆら揺れるハンモックも登場。クラウンと子どもたちが協力し合い、あっという間に手作りビーチリゾートが完成しました。貝すくいをしたり、目隠しをしてスイカ割りをしたり。お母さんや看護師さんも、声を上げて子どもたちを応援します。久しぶりに夏らしい一日を過ごした子どもたちの笑顔はキラキラと輝いていました。

 

この楽しい小児病棟の訪問を行なっているのは、大分県で活動するクラウンボランティア・ティアドロップ。県内でクリニックを営む内科医の佐藤慎二郎さんを中心に、看護師や介護士、大学医学部の医学生と看護学生といった医療関係者が集まって活動しています。

クラウンのチームワークが自慢。仲間との絆が活動から生まれた宝物

子どもの成長に必要な遊びや体験を

設立12年目を迎えるティアドロップは、大分県立病院を中心に県内外の病院の小児病棟で、それぞれ月1回の訪問を続けています。

子どもたちには、次の訪問で何が起こるか楽しみに毎日を過ごしてほしいという願いから、ゲームや出し物は毎回必ず新調してきました(最近は、人気の遊びのリピートもあるそう)。本物の金魚すくいをしたり、キャンプがテーマの日は、テントを持ち込んで寝転んで遊んだり、プレイルームにカブトムシやクワガタを隠して本気の昆虫採集に挑戦したことも。こんな大胆なプログラムができるのも、医療関係者のチームだからこそ。

入院生活は、病気や怪我を治す一方、成長に必要な遊びや体験が絶対的に不足するため、ネガティブな影響を残してしまうこともあります。そんな中、季節の変化を感じたり、生き物に触れる体験は、長い入院生活を送る子どもにとって、とても貴重なことなのです。

「衛生や体調の管理など、外せないラインを守っての冒険です。入院生活が楽しかったと思えるような経験をしてもらいたい一心で活動を続けています」と佐藤さん。退院後、数年して再会した中学生から、クラウンの訪問が楽しかったこと、自分も将来はボランティアに参加したいことを伝えられたそう。子どもの心にクラウンたちの願いはしっかりと届いているようです。

入院中の子どもたちや病院のスタッフから届くお手紙。

活動の原動力です。

子どもたちの笑顔が活動のエネルギー

医師として仕事をするなか、もう一歩、人のためになることをしたいと考えていたという佐藤さん。2005年に見たニュースで、オランダからやって来たクリニクラウン(臨床道化師)が入院中の子どもたちを笑顔に変える様子に惹かれ、当初は日本にできたクリニクラウンの団体へ寄付をして活動の支援をしていました。ところが大分県は地理的な状況もあり、クリニクラウンの訪問がなかなか実現しません。待ちきれなくなった佐藤さんは、その頃に見たクリニクラウンを始めた医師の実話を元にした映画『パッチアダムス』に背中を押され、とうとう自らクラウンとなり、友人を誘って活動を始めることにしたそうです。

現在のメインメンバーは8名ほど。子どもの遊びは全くの素人だったメンバーですが、今ではクラウンの衣装に身を包んだとたんスイッチがオン。ジャグリングやバルーンアートなど、一通りの大道芸を独学でマスターした佐藤さんをはじめ、メンバーはそれぞれが役割を持ち、プロのクラウンとして子どもたちの前に現れます。

設立から10年を超え、訪問先の病院にとって、なくてはならない活動になっています

病気の子どもの現実を知る医療者を増やしたい

活動には、大分大学医学部のボランティアサークルに所属する医学生や看護学生も参加しています。

「大学の実習で小児病棟を訪れる短い期間では、子どもの本当の気持ちを知ることは難しいでしょう。小児科とは別の専門に進むとしても、困難を抱えている子どもと向き合い何かを感じることは、将来、医師や看護師として仕事をする中で必ず役立ちます。ますます多くの学生に参加してほしいと願っています」と佐藤さん。

プレイルームでは、子どもたちとともに準備し、いっしょに遊ぶスタイルが基本。病室を離れられない子どもたちへは個別に部屋を訪れ、手品やゲームで遊びます。花も音楽もない部屋での毎日が続く単調な入院生活では、子どもたちは普段とは違う体験を受け入れることが難しくなるそう。病棟に現れたクラウンを初めて見た子どもは、驚いて固まったり、隠れたり、泣き出すことがほとんど。クラウンたちは、緊張する子どもとの距離を少しずつ縮め、心をほぐしていきます。そうして泣き顔の中に生まれた笑顔が見えた瞬間は、メンバーにとって何ものにも代え難い喜びです。

温泉で知られる大分県由布市の郊外にある佐藤さんのクリニックの一室は、遊び道具でいっぱい。そこから取り出した道具で車を満タンにして、今日もクラウンは子どもたちの待つ病院を目指します。

風船の準備も子どもたちと一緒に。

次々生まれる風船に子どもたちも大興奮でした

・特定非営利活動法人クラウンボランティア・ティアドロップ

 団体情報はこちら(CANPAN 団体DBへ)

・ 2017年度 日本財団支援事業(Tooth Fairy)

  クラウンボランティアによる子どもの成長サポート

クラウンボランティアの派遣を通し、入院等で子どもが病院で一定期間時を過ごす間、難病の子どもと家族に必要なケアを提供する体制作りを行なう。約960名の子どもをサポート。

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