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映画「Given」上映プロジェクト

公益社団法人 難病の子どもとその家族へ夢を

· 2017年度 助成・支援事業紹介

しあわせって、なんだろう。

2017年10月、難病の子どもとその家族を描いたドキュメンタリー映画が第6回「日本医学ジャーナリスト協会賞」映像部門で大賞を受賞しました。その映画は「Given〜いま、ここ、にある しあわせ〜」。

作品の主役は難病の子どもとその家族ですが、描かれているのは病気の治療の話ではありません。そこに写し出されているのは、子どもの病気とともにある家族の暮らし、そして、それぞれの思い。見る人に、家族のこと、それから夢をもって生きることのしあわせを気付かせてくれるストーリーです。

この映画は、難病の子どもをもつ家族の孤立や離散といった社会課題解決のために活動する、公益社団法人難病の子どもとその家族へ夢をによって制作された作品で、2016年初めに一般公開された後、全国のさまざまな場所で自主上映されてきました。

Givenには、「与えられる」のほか「ふつう」「当たり前」という意味も。

「当たり前のしあわせ」に気付いてほしいという願いが込められています

笑顔の家族は安全基地!

映画は3つの家族のストーリーで構成されています。最初に登場するのが塩川ファミリー。3人きょうだいの真ん中、9歳の利音(りおん)くんは、1年前に顔の奥にできた悪性腫瘍のため左眼球と顔の左半分を手術で切除しました。あまりに重い現実ですが、利音くんも家族もとても明るく、家の中は冗談と笑いが絶えません。

「みんな自分だったら耐えられないって言うけれど、私だって耐えられない!」 そう素直に語るお母さん。涙が涸れたあとは、どうしたら利音くんが学校で、社会で安心して過ごせるのかを考え、奔走します。一方家の中では、片方の目がないのは個性の1つとして、時にはドキッとするような冗談も交わしながら、家族は当たり前に毎日を過ごします。利音くんが外の世界で元気に過ごせるのは、安全基地である家族がいつもそこにあるから。塩川ファミリーは、誰かが乗り越えられないほどの壁を前にしたときの家族の素直な思いと、家族にしかできない大切なことを教えてくれます。

「お兄ちゃんは海賊みたいでかっこいい!」という弟と看護師になりたいという姉。

家族3人で、大切な「いま」を生きる

次に登場するのは、ムコ多糖症の1人娘、13歳の春萌(はるも)ちゃんを育てる志藤ファミリー。ムコ多糖症は、本来は代謝されなければならないムコ多糖が分解酵素の先天的な欠損のために体に蓄積され、成長とともに体や精神のさまざまな機能が退行していく難病です。3歳を過ぎるまでゆっくりながらも成長していた春萌ちゃんですが、次第に走れなくなり、話せなくなり、笑顔も消えていきました。とうとう食べ物を飲み込むことが難しくなり、両親はある難しい決断を迫られます。

現実に向き合いながら、両親は春萌ちゃんとともに一緒に食卓を囲み、一緒に眠り、大切な毎日を重ねていきます。年を追うごとに体調が悪化していく春萌ちゃんは、この難病の現実とともに、当たり前だと思っている「いま」がどんなにかけがえのないものであるのかを教えてくれます。

「誕生日は悲しい。このまま時がとまってくれたら」

と語る志藤ファミリーのお父さんの言葉が胸を締め付けます

小さな命が結んでくれた、家族と社会のつながり

最後に登場するのは、染色体異常のひとつ18トリソミーをもって生まれたももちゃんの家族、米田ファミリー。生まれた時に1週間もたないかもしれないと告げられたももちゃんは4歳になりました。ももちゃんが生まれた日の3年前の同じ日に、すぐ上のお兄さんにあたる第3子を生後すぐに亡くしたご家族。育てられなかった命の分までももちゃんを大切に育てると誓い、お母さんはつきっきりで育児をします。

そんな家族に転機が訪れます。ももちゃんを通したある出会いをきっかけに、家族の世界がぐんと広がり、海の向こうまで羽ばたくのです。誰かに支えられないと生きていかれない小さな命が、家族と社会をつなぎ、家族のあり方を変えていきます。そんな姿は、人が生まれる意味、生きる意味を気付かせてくれます。

ももちゃんを迎え、お父さんの家庭観にも変化が。

幼稚園に通うお姉ちゃんは、ももちゃんを治す医師になりたいという夢を語ります

大切なことに気付く映画上映プロジェクト

現在、映画「Given」を全国の学校で上映するプロジェクトが進行中です。子どもたちは映画を通して難病の子どもと家族、家族と社会の間にある課題は、誰もが関係していることに気付きます。

「生きていることに感謝して生きたい」「一日一日を大切に生きようと思った」といった感想が映画を鑑賞した子どもたちから数多く寄せられ、子どもたちが社会に対して自分にできることや命についての考えを深めていることがわかります。

子どもが病気や障害をもつと、まわりと同じペースで暮らすことが難しいために、社会から分断されてしまう日本社会の現状がありますが、困難があるからこそ、社会とのつながりが必要です。また、そのペースで歩んでみると、見えなかったものが見えるようにもなるでしょう。「いまあるしあわせ」への気付きもその1つ。子どもたちにそんな発見をもたらす「Given」上映プロジェクトは、誰もがつながる社会へのきっかけとなりそうです。

・公益社団法人 難病の子どもとその家族へ夢を

 団体情報はこちら(CANPAN 団体DBへ)

・2017年度 日本財団支援事業(Tooth Fairy)

 映画「Given」啓発活動事業

難病の子どもとその家族を巡る社会課題啓発のために制作した映画「Given〜いま、ここ、にある しあわせ〜」を全国の小学校・中学校・高校・大学・大学院・医療系専門学校15校3000名を対象に上映。生徒児童に対し難病の子どもとその家族が直面している問題の実態を伝え、自分にできることを考える場を提供する。

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